近所に建築現場があったら、ぜひじっくり見てみてください。また匂いをかいでみてください。構造材は何でしょうか?最近は「木造住宅」とひと言でいっても色々な種類がありますが、構造材の多くが合板か集成材です。その中心となっているのは集成材の柱梁よる軸組工法と、合板のパネルによる2×4(ツーバイフォー)です。
合板は木材を薄くスライスしたような単板を3枚以上奇数枚、繊維方向を直交に貼り合わせた木材です。集成材は1cm~2cmの厚さで挽いた板を繊維方向に平行に貼り合わせた木材です。両方共、造作用、化粧用、構造用など様々な用途に用いられています。なぜそのような木材が市場にたくさん出回っているかというと、木材は無垢のままで使用すると反ったり、割れたりします。また、木それぞれに個性がありますので「様々な用途」に向かない場合が多いのです。それなので、このように個性を抑えて、狂いのない規格品に仕立て上げられてから建材として使われています。施工性、クレームのない施工をするために、このような木材がよく採用されています。
しかし、私たちはこのような合板・集成材を構造に使用することはありません。
合板・集成材は、ボンド(酢酸ビニル)を使用して生産されていますので、健康への影響が懸念されます。またその耐久性についても疑問を持っています。もちろん認定の取れた建材を使用していると思うので、新築時の強度には問題はないかと思います。しかし、強度が「長もちするのか」という視点で考えたときに、ボンドは果たして長持ちするのでしょうか?ボンドの寿命はわかりません。さらには、壁内の湿度が高くなれば、その状況はさらに悪くなるでしょう。大切な構造材にそのような木材は使用できません。