そもそもはギタリストの友人のために作った椅子だった。ギタリストが常に会場にある「パイプ椅子」を与えられるなんて、気の毒な話だ。覆面レスラーじゃないんだし、パイプ椅子が必要ではない。自分のものが使いたい。その要望に応えたのだそうだ。
そして今回展示された家具類の中には、なんとその人オリジナルの椅子を作るための計測器もあった。自分専用の体格・姿勢に会った椅子を作るためのものだ。測ってもらって驚いたのが、背もたれの部分では、わずか一ミリの違いが大きな差になって感じられる。わたしたちが椅子に合わせて姿勢を作ってのは、実は「逆」なのだ。椅子に座っているつもりが、椅子に座らさせられていたわけだ。
見学会に協力してくれたUさん家族と話した。「この家具は目の毒ですね、どれも天然素材の家にとても似合っていて、買いたくなっちゃいますね」と。
そうなのだ、家を建てる前からそうした家具を使っておくのがいいと思う。そうすれば、家の中で家具だけが浮いて見えないし、臭い的にも問題なくなる。でもUさんみたいに新築直後の生涯で一番財布が厳しくなる時に、「すまうと」さんの家具を見せられるのは酷な気がする。