第145回 里芋の復権

里芋のおすそわけ

里芋
天然住宅に住む人は面白い人が多い。
あえてエネルギー自給する人も食料自給を目指す人もいる。

つい今年の正月にも里芋の種芋を送ってくれた人もいた。
どうやら大切に受け継がれてきたという里芋だった。
在来種で、食べたスタッフによるととてもおいしかったそうだ。
そう、里芋と言えばねばねばが指についたり箸で摘まめなかったりする。
このヌルヌルが「水溶性食物繊維」の本体だ。
これが大腸の中で有用微生物菌の餌になり、免疫機能を整える「T-reg」となってくれる。

免疫機能を整える

今心配な中国からの新型コロナウィルスに対しても、
免疫機能を整えることが大切だから、何よりそうした「水溶性食物繊維」を摂っておきたい。
その意味でヌルヌルした食物の水溶性食物繊維がとても大切なのだ。
それがたっぷり摂れる里芋のプレゼントだ。

くださった建て主さんは、その種芋を各地の人々が各自で育ててほしいと望んでいる。
現在日本の主要な作物を支えていた「種子法」は改悪され、
(これは主要とされるコメ・大麦・はだか麦・小麦・大豆の種子)を保全することを国が守り、
各都道府県に頼んで守っていた法律だが、それが改悪されて保全されなくなった。

さらに「育苗法」が続いて改悪され、「種子」の特許取得を強く認め、
企業が排他的に保有することが進められることになった。

このままでは各地域にあった原種の保全が危うくなる。
今各地が持つ原種の種を地域で保全していかないと、企業から購入しなければ使えなくなるのだ。
種は毎年採っていれば保全できるが、誰も育てなくなった時に危うくなる。
各地の人が自発的に育て続けることが大切なのだ。

良心的なネットワークを

その保全のためには、地域の人たちが自発的に、種子を保全していかなければならない。
その方法が、各地域で各人が、自分のものとして使い続けることなのだ。
だからこうした建て主さんの種芋の提供は、各地の特色ある種を保全することにつながっていく。
そうしたことを建て主さん同士の情報から保全できることはうれしい限りだ。

天然住宅の建て主さんのネットワークは、先日初めてのミーティングを催して作ったばかりだが、
このネットワークは意味のあるつながりを生み出し始めた。
それは天然住宅に住まう人が生活に対しての意識の高い人が多いことからできたことだ。
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