意外なことに木は燃えにくい素材だということをご存知でしょうか?
無垢の木の柱は、ある程度の太さがあれば、芯まで燃え尽きるのに数日かかります。
焼き杉の外壁は古くから日本家屋に使用されています。
これは、杉の表面だけを焼いた素材です。表面をあらかじめ炭化させておくことで、かえって燃えにくくしているのです。
木材は420℃で発火し、その後は表面に出来た炭化層が断熱材の役割を果たし、木材内部の温度上昇を抑え、熱分解して生ずる可燃ガスの発生を防ぎます。
一方、鉄は温度が250℃になると変形し始め、5分も経たないうちに強度が半分にまで落ちます。
木材は元の強さが半分になるまでに20分もかかります。
火事跡を見るとよくわかります。
木造住宅のあとには、木の柱は黒焦げになってはいますが、骨組みは残っています。
鉄骨造では、柱が曲がり、屋根が崩れ落ちていることが多々あります。
また、火事の死因のうち一番多いのは、一酸化炭素中毒ですが、次いで多いのが有毒ガスで意識を失い逃げられない状況に陥ってしまうことです。合板や接着剤をはじめとする化学物質を使用した建材は燃やした時に猛毒ガスとなります。
逃げられる時間があるということは、火事の時に命を守る上で最も重要なことです。