11月16日は暮らし+リンクセミナーでした。
天然住宅代表の相根昭典も定期的に通っている「前田歯科医院」より、前田亨院長と三井英明先生を招き、「大人も子どもも絶対にむし歯ゼロ」というテーマで開催しました。
最初は三井先生のお話です。まずは質問から。「むし歯ってどんな病気?」
突然の質問にもかかわらず、答えて頂いた会場の皆さん、本当にありがとうございました!
11月16日は暮らし+リンクセミナーでした。
天然住宅代表の相根昭典も定期的に通っている「前田歯科医院」より、前田亨院長と三井英明先生を招き、「大人も子どもも絶対にむし歯ゼロ」というテーマで開催しました。
最初は三井先生のお話です。まずは質問から。「むし歯ってどんな病気?」
突然の質問にもかかわらず、答えて頂いた会場の皆さん、本当にありがとうございました!
三井先生からの答えは・・・ずばり「感染症」。つまり、「人から人にうつる病気」ということでした。
小さいお子さんなら、いつも一緒にいる「お母さん」が一番の感染源。2歳から4歳が最も危険だそうです。ついつい、一緒のスプーンを使ったり、同じお皿で食べたりしますよね。
お母さんのお口のなかに、むし歯になる「菌」がたくさんいれば、それだけお子さんへの感染リスクは高まるのだそうです。お子さんのケアといっても、家族みんなで考えていくのがむし歯ケアでは大切。改めて、自分自身のケアがきちんとできているかを確認する機会になりました。
参加者に対しての質問は、さらに続きました。
今度の質問は、「砂糖の摂取量と、むし歯の数に関連性がある?」
「YES」と思われがちですが、答えは「NO」!
「甘いものばかり食べるとむし歯になるわよ~」と小さい頃から言われてきた記憶がありますが、砂糖とむし歯には関連性がないというデータにはビックリ。単に甘いものを控えるだけでは、むし歯はなくならないのです。見せていただいた資料のなかに、日本の子どものむし歯状況についてのデータがありましたが、10歳以下でむし歯のない子どもは18.8%しかいないそうです。つまり8割のお子さんがむし歯を経験しているということ。こちらのデータも衝撃でした。
先生いわく、むし歯になる年齢が早ければ早いほど、その後のむし歯発症率は高いそう。前田歯科医院では、0歳からのむし歯ケアをすすめていらっしゃいますが、その考え方に一堂共感でした。
セミナーでは、むし歯ができる仕組みも学びました。
食事をすると、「ミュータンス菌」と呼ばれるむし歯の原因菌が、食べ物に含まれる糖質を使って「酸」をつくります。その「酸」が歯のエナメル質を溶かしてしまうのですが、しばらくするとだ液中のミネラルが「酸」を中和し、再び歯に沈着して歯が修復されます。
酸によって歯が溶けることを「脱灰」といい、溶けてしまった歯の表面がだ液によってもとに戻ることを「再石灰化」というそうです。食事のたびに私たちの歯は「脱灰」と「再石灰化」を繰り返しているそうです。
しかし、ダラダラと食事をしていたり、頻繁におやつを食べているような食習慣を続けていると、「再石灰化」がしない間に「脱灰」が始まるため、修復が間に合わず「むし歯」になるのです。決められた時間内で、規則正しく食べることが大切なんですね。
休憩をはさんで、続いては前田院長のお話。テーマは「味覚を科学する」でした。
前田先生からも質問がありました。「なぜ、人間に味覚が存在するのでしょうか?」
正解は「命を守るため」。「味」を分類してみると、「甘味」「塩味」「うま味」「苦味」「酸味」があります。
命を守るために必要な感覚として、生まれたばかりの赤ちゃんでもこの5つの味を識別する能力があるのだそうです。でも、赤ちゃんのときは未発達。成長とともに発達していくそうですが、鈍っていくという側面もあるようです。
乳児には「味蕾(みらい)」と呼ばれる食べ物の味を感じる器官が大人の1.3倍もあるそうで、味覚に対してとっても敏感。そのうえ、「塩味」「酸味」については、大人の2分の1の濃度で反応するそう。つまり、幼い頃から濃い味になれてしまうと、大人になってもっともっと濃い味を欲してしまうということになりかねないのです。
恐ろしいことに、現代の子どもの31%、つまり3人に1人の割合で「味覚障害」の傾向があるそうですが、濃い味ばかりの食習慣がこのような結果を引き起こしていることは想像がつきますよね。
そうしたなかで、前田先生が注目しているのが「うま味」。
日本の伝統食は「だし」を使ったうま味の多い料理がたくさんありますが、このうま味を上手に取り入れることで味の濃さを抑えることができ、正しい味覚の形成に役立つのだそうです。
三井先生、前田先生に共通するお話として、むし歯予防は「歯医者任せではなく、日ごろの生活習慣こそ大切」だということが、はっきりと認識できました。定期的な管理よりも毎日のケア。それをフォローしてくれるのが歯医者さんの存在ということを改めて感じるお話でした。
ここで紹介したお話は、セミナー全体のごく一部です。先生たちには個別の質問にもたくさんお答えいただきました。本当にありがとうございました。
天然住宅に関わるスタッフの中には、ちょうど乳幼児の子育て中というスタッフが4人もいます。子どもの食べ物のこと、医療に関すること、子育て環境のこと、話題は尽きません。「子どもの病気」がきっかけで、天然住宅での家づくりを考えはじめたという方はとても多かったりします。そう考えると、病気になる前の「予防」が何よりも大切なことがわかります
「ワクチンセミナー」に続き、医療に関する「暮らし+リンク」セミナーを開催してきましたが、どちらも病気にならないために、「日々の暮らしの中でできること」が話題の中心。
さて、今年1月からスタートした「暮らし+リンク」セミナーも残すところ1本。
12月13日開催のテーマは「フェアトレード」についてです。ピープル・ツリーの胤森(たねもり)なお子さん、天然住宅共同代表の田中優の2人のトークを聞きに、ぜひ足をお運びくださいね。