午後はいよいよ伐採です。
軽トラの2台に乗り込み伐採ポイントへ。《報告》栗駒伐採ツアー2013冬~その2~
夏に皮むきした杉を伐採します。
一人一本、チェーンソーを使い、切り出します。
ポイントに着くと、山へ一礼。
キコリの伊藤さんが指導してくれます。
もしもの時のために、手順を記します。
伐倒方向を定め、受け口をつくります。
チェーンソーを60°にもち、伐倒方向に直角に刃を落としていきます。
チョークで書いた線に沿って、受け口をつくったら続いて、追い口をいれます。
受け口の高さの2/3位の位置に反対側から切れ目を入れます。
蝶番の役目をする「ツル」を残します。
追い口の部分に楔を入れ、段々と木を伐倒方向へ傾けていき、ある程度までいくと自重で倒れます。
木の伐採は大迫力です。それだけあって危険なもの。素人ではなかなか難しい。
しかし、栗駒の人たちは、誰でもきこりになれるようにと、きこり講座を開いています。自分で山を守れる「自伐林業」ができる人が増えれば、多くの山は守られるようになります。
作業が終わると、お土産用の鍋敷きを各自切ります。
新月伐採のものと、満月伐採のものと2つ切り出し、帰ってその差を比べようというもの。
新月伐採というのは、満月から新月になる下弦の月の期間に木材を伐採する方法です。新月の期間はでんぷん量が少なく、木材にしたあとの虫食い、カビなどがでにくくなります。
遅くなって暗くなってしまいました。すっかり体は冷えてしまいましたね。
体には木の倒れる音と振動が残っています。
温泉に入り、交流会2日目。
夕食後田中優による林業と天然住宅の話です。
最後の晩を惜しむようにお酒を飲み語らいます。
三日目。
今日は栗駒木材の製材所見学です。
栗駒木材のこだわりの木材加工を見てもらいます。
木材は家具、構造材、ペレットなど木質燃料、合板集成材用チップ、パルプチップの順に高く売れます。高付加価値な製品を市場へ出すことができるかどうかが重要になります。しかし、今は市場と山側が分断され、家に使われる多くの建材が合板・ベニヤ・集成材になっています。天然住宅では栗駒木材から直接無垢材を取り寄せています。それなので、山側への還元率が高く(一般木造住宅の4~6倍くらい)、さらにお客様にはトレーサビリティの高い、安全な木材をお届けできるようになっています。
木材を有効利用するためにはカスケード利用することが重要です。
一本の丸太から取れる、住宅の構造材に使える歩留まりは約30%程度。あとの部分は他の使い道に回さざるを得ません。栗駒木材では、ペレット、薪、パルプチップにしています。
前述のように、木質燃料は比較的高く取引されるので、ペレットを使うということは山を守ることにつながります。また、日本全国の木の成長は、日本全国の着工棟数以上ですので、木質燃料を使用することはカスケード利用する限り、山を壊すことにはつながりません。
杉チップをお土産に持って帰ってもらいました。
優さんが買ってきた「ミネラルたっぷり新玉ねぎ」の袋に詰めます。
とてもよい香りなので帰って入浴剤にします。これもカスケード利用です。
栗駒木材の特徴としては、薬品を使用しないということ。
今、ほとんどの製材所には、防カビ槽などが置かれ、木材は薬品漬けにされています。
木材と木材を接着剤で接着させたベニヤや合板が市場の大部分を占め、結果シックハウスや化学物質過敏症を生んでいます。
大場さん「日本の法律では消費者は守られていない。唯一守れるのは生産者の良心、それだけです。」
安くつくろうと思えばいくらでもできるのです。
でも栗駒木材はそうしません。
信頼できる人たちと建てられる家こそが、安心できる家になるのでしょう。
お昼のカレーを食べたら、帰路につきます
3日間お疲れ様でした。
本当に皆さんのおかげで楽しいツアーとなりました。
是非、栗駒にまた来てください。
リピーター大歓迎です!
リピートすればするほど、面白くなりますよ!