あいにくの天気でしたが、住民・ボランティアの皆様など100名以上が集まり、笑いあり涙ありの式典となりました。
建物は木造平屋建てで床面積は約250㎡。
会議室や調理室に加えて浴室やペレットストーブも完備しているので、災害時の拠点となり得ます。
南側には広いデッキスペースがあり、そこから気持ち良い風が入ります。
外壁の焼杉をはじめ、住民の皆様とともに建設した建物でもあります。
宮城県気仙沼市 前浜マリンセンター落成式 2013年10月号
前浜マリンセンターの落成式が行われました。
中心でひときわ存在感を放つのは、静かに建物を支える大きなコブシの大黒柱。
山形県最上町から寄贈された「友情の大黒柱」です。
威勢の良いおめでたい唄を聴きながら、皆様に「本当の強さ」を教えていただいたのだと思いました。
目の前で次々に起こる悲劇を受け入れるしかなかった、その先の皆様の「強さ」は実に清々しく、凛としており、そして底抜けに明るいものでした。
泣かないことや我慢することだけが「強さ」ではないのかもしれません。
同時に建築の「強さ」のことも考えました。
建築は人と人をつなげて見せてくれました。
また、我々が設計上意図したことなど、最終的には無くなればいいと思っています。
建築は手段であり、目的ではありません。
ここまで来ました。
そして、これから新たなストーリーが始まります。
「想いは形になるんだ」ということを目の前で鮮やかに証明してくれた前浜の皆様に深く感謝しております。
（アンビエックス 小野寺郷）
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