ではなぜ日本だけがこれほど住宅価値が下がるのが早いのだろうか。
台風や地震など、災害が多いせいだという人もいる。
確かに多いが、耐えられるような建て方はできないものだろうか。
そのとき面白いのが伝統的な建築法だ。
熊本地震のときに、伝統的な「石場建て」の住居を直しに出掛けた大工たちがいた。
そのレポートを読むと、建てていた場所から60センチも動いていたという。
もちろん水道管などはダメになって、もう一度つなぎ直したそうだ。
しかし驚いたのは建物本体で、ジャッキアップして位置を戻して、変形した方向の逆に力を加えただけで直ったのだ。
石場建てで作った建物は、お相撲さんが四股を踏むように動いただけで、建物を壊しはしなかったのだ。
究極の柔構造ではないか。
今の建築基準法では特別な力学計算をしないと認められないが、その柔構造には目を見張る。
建物は頑丈である事よりも柔構造の方が重要なのではないか。
同じように建物内を「24時間換気」にすることよりも、空気を汚す化学物質を使わずに建てて、
取り立てて換気しなくても暮らせる住まいの方がいいのではないか。
我が家の「24時間換気」は全部詰め物をして塞いでしまった。