放火事件に遭遇した善養寺幸子さん(一級建築士事務所「オーカニックテーブル」代表)から
直接話を聞かせてもらったことがある。
その話の中でとても印象に残ったのは、
「耐火建築物」での火事のときの火の回り方についてだった。
「短時間の間に被害を広げてしまったのは、金属製の認定防火戸で、
鉄製の網入り硝子入りの乙種防火戸は、消火水に急冷され枠が外れるほど変形し、
網入り硝子は割れ、室内に残り、火を入れる結果となりました」という話だった。
それは現在の建築基準の性能で、想定される火災モデルが、
限定的な効果しか担保していないのではないか、という可能性を示すものだと思う。
耐火についての話では、「木」の評価は低く見られがちだ。
例えば「木は燃えるか」と聞かれれば燃えるのは確かだ。
しかし現実の火災では(少なくともこの事例では確かに)、木材が生命を守ったのだ。
「耐火建築物」が役に立たず、可燃物であるはずの木が燃えて炭になる(炭化する)ことで燃焼を防止し、延命できたのだ。
私自身はこの話をよく知られている話と勘違いしていた。
インターネットで探すと、ここだけに載っている。
とてもわかりやすい良い記事だと思うので、それをまず紹介したい。
http://www.jia.or.jp/topics/urban_p/2001/10kasai.htm