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第132回 個人で温暖化防止をするにはまず「省エネ」  

家庭レベルの省エネ

まず客観的に見てみると、私たちが温室効果ガスの排出に関係するのは、まずは「電気」で、次が「クルマ」だ。

だからこの排出量を問題にしよう。
もちろん日本人の家庭からの排出量は諸外国に比べて多くない。(図3)
省エネ努力では日本の家庭は優れているのだ。政府と企業が無策なだけで。
天然住宅コラム 図3
【図3】

その1、熱に電気を使わないこと

図で見るように、家庭の排出量で見てみると日本の家庭は「省エネ優等生」なのだ。

それでももっとできることはある。
電気消費についていうと、まず第一に「熱に電気を使わないこと」が大事だ。

もともと、発電所では熱から電気を生み出すのだ。
熱が100出て、そこからやっと40ほどの電気を生み出している。
その電気を使って、熱を生み出すのは非効率である。
できることなら熱のまま使えばいいだろう。
わざわざ電気にする必要はない。

いくらエアコンがヒートポンプを利用して高効率になっても、
電気を経由するだけやっぱり無駄になる。だから熱を電気で作らないことが大事なのだ。  

その2、省エネ製品を利用すること

その次に大事なのは省エネ製品を利用することだ。

実際、冷蔵庫はマイナス97%という驚異的な省エネを実現した。
おかげで「省エネ製品を買う金が無駄になる」とか「捨てるのにエネルギーを浪費する」と言われることもあるが、
計算してみると買うコストは四年ほどで電気量が安くなって回収されるし、
捨てるエネルギー量は、もともと廃棄はリサイクルされるのでほとんど計算値に入らない。
つまり、とんでもなく「省エネが進んだときには買い替えた方が良い」のだ。
買い替えたら今度はずっと使ってもらえばいい。

とんでもなく省エネが進んだときは、廃棄のことよりも、大事に使うことがむしろ問題になるのだ。  

我慢忍耐なしでできること

次に大きいのがクルマで、その燃費はものすごく改善した。
もちろん公共交通機関を利用するのが一番良いが、あいにく地方では公共交通機関そのものがない。
だからクルマを利用せざるを得ないのだが、我が家のクリーンディーゼルは公害を出さないだけでなく燃費が良い。
普段乗りでリッター22.8キロ走り、一般道で遠出するとリッター23キロを超えて走る。
しかも軽油だから安く済む。一回の給油で岡山から新潟まで走るのだから、途中の給油が要らないのだ。
 
こうした省エネ製品を活用するのが第一の対策だ。無理して苦労しなくていい。
今まで通りの暮らしを続けながら、消費量を減らすのがまず第一だ。
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