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第32回 エアコンは「熱を電気でつくる」もの?

省エネのポイント

 オフグリッドの話でぼくがいつも話すのは、「二つだけするのがいい、熱を電気で作らないことと省エネ家電を選ぶことだ」と。努力忍耐は頼らない方がいい。努力忍耐は長続きしないからだ。コンセントと家電の間に挟み込んで節電をモニターするワットチェッカーという装置があるが、そのデータを見て驚いた。最初は節電するものの、一年後にはどの家庭も元に戻っていたのだ。それなら装置そのものの消費電力量を減らすのがいい。幸い、日本 の家電製品の省エネ率はものすごく、冷蔵庫はかつての5%しか電気を使わなくなり、照明器具も
5パーセント程度、テレビもエアコンもかつての半分以下まで節電している。しかもそれらで家庭内の半分の電気を消費しているのだ。だから買い替えの時に、最も節電している製品を選ぶのがいい。

 もうひとつ、ストーブや調理など、熱が必要な時に電気を使わない方がいい。なぜなら電気を作るときに、熱の6割を捨てているのだから、熱に使うためなら電気にしない方がマシだからだ。

電気で熱をつくる家電

 しかしエアコンは「熱を電気で作る」ものではない。エアコンはコンプレッサーを電気で動かし、モーターで冷媒に圧力を加えて外から熱を集めてくる装置だ。この機能をヒートポンプと呼んでいる。

 しかし特に寒い日や、寒冷地だと順調ではなくなる。寒いと室外機のところに霜がたかってしまい、『霜ダルマ』のようになってしまう。その霜を防 ぐためにヒーターで溶かそうとする。しかしそのヒーターは「熱を電気で作り出す」ものだから、やたら電気を食ってしまう。寒さがそこそこ程度の地域なら、エアコンの方がストーブよりも効率が良くなるが、本当に寒くて暖房が必要な地域では逆になるのだ。だから寒冷地ではエアコンにせず、ガスなり灯油なり、可能なら木質ペレットのストーブにした方がいい。ヒーターはまさしく「熱を電気で作る」もので、その効率は最低だからだ。

凍結防止装置

 同じ理由でガス給湯器や水道の凍結防止装置も異常なほど電気を多消費する。 今年の雪は九州沖縄までひろがって、南九州でも水道管が凍結して破裂する事故が相次いだ。凍結防止装置があって破裂を免れた世帯も、高い電気料金に悩まされることだろう。凍結防止装置では普通に200W/時程度の 電気を消費する。しかも温度が+6℃〈±3℃〉で稼働し、+16℃〈±3℃〉程度まで止まらないのだ。下手すれば丸一日止まらない。すると最大で は4.8kWhも電気を消費してしまうのだ。

 これを節電するには給湯器を室内に設置するのが一番いい。ちなみに給湯器の凍結防止はふたつあり、外の水道管そのものの凍結防止と、給湯器内部の凍結防止がある。寒冷地ではそのふたつのために、コンセントが二種類ついている。

 もし寒冷地で冬場の電気料金に悩んでいるなら、「New セーブ90」という商品名の節電器がある。これまでの「外気温」だけで判断するのではなく、風速や太陽光をも検知し て電源のオン、オフを自動的に繰り返す。

 水道管内の水温を必要以上に上げずに常時7℃~18℃の間にコントロールする装置だ。これを使うと電気消費量が90%程度下がるという意味で「セー ブ90」という商品名なのだ。

 オフグリッドする場合は必須の商品、家庭の節電のためにも必要な品だろう。
http://temco-eco.jp/shoene/save90.htm
凍結防止装置
このような凍結防止装置がついている場合はセーブ90が有効です。
凍結防止装置
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