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第54回 太陽温水器の裏ワザ

凍結防止装置

 今回、太陽温水器をつけた。我が家では敷地が大きく残っているので、屋根に上げるのではなく庭の一部に設置した。以前の家にもつけていたから、あまり気にせずに設置したのだが、今回はひとつ条件が違っていた。それは冬場に電気をバカ食いするガス給湯器の凍結防止装置を嫌って、室内設置型のガス給湯器にしたのだ。もちろんこの近くで室内設置型を選ぶ人などいないそうだ。

 ところがこれの凍結防止装置は、3度以下になるとスイッチが入り、13度にならないと切れないというのだ。しかも凍結防止装置の電気消費量は200ワットもある。24時間ついていたら、それだけで4.8キロワット時も電気を消費してしまう。それではバッテリーが足りなくなってしまう。以前のときには凍結防止装置の配線を外していたために、凍結して水漏れするようになってしまった。だから親の仇みたいにガス装置の電気消費に腹が立つ。

太陽熱温水器

ソーラーブレンダーという装置

 そして室内設置型のガス給湯器にしたのはいいのだが、それで太陽温水器に対応できる機種はノーリツの1機種しかなかった。しかも「ソーラーブレンダ―」という熱水と水をブレンドする装置をつけなければならない。でも考えてみてほしい。せっかく熱いお湯が沸いたのに、それを水とブレンドして、さらに沸かすという愚かさを。しかしそうしないと直接お湯を入れる蛇口を設置しなければならない上に、天気の悪い日は自動で沸かせなくなってしまう。

 そこでノーリツ社に電話して食い下がって、やっと裏ワザを教えてもらった。なんと給湯温度を50度以上に設定して、その上で給湯器の電源を切り、給湯蛇口を最高温度に設定すれば48度のお湯が出るというのだ。それ以上の温度にならないのは、給湯器本体を熱湯で傷めないためだそうだ。

温泉「お日様の湯」

 いろいろ制約があったものの、ついに慣れて普通にお湯を張れるようになった。梅雨が明けてから、毎日の風呂にガスは使わなくなった。熱すぎるお湯を張って、そこに水を足して入るようにしている。全くガスの世話にならずにお風呂に入れるのは気持ち良い。温泉「お日様の湯」とでも名付けたくなるぐらいだ。

 でもそもそも機器を傷める心配があるなら、お湯のバイパスをつければ良いだろうし、これまで室外設置の給湯器ではこんな不自由はなかった。「エコエコ」言うなら、このままではダメだろう。誰でも簡単に使えるようにしてほしい。裏ワザなしで使えるのが当たり前だと思うのだ。
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