しかしベニヤ板の問題はそれだけではなかった。
やがて熱帯材が使いにくい事態になると、
すでに述べたようにスギやシベリヤ材などの針葉樹合板に替えられていったのだ。
しかし木材を接着剤で貼り合わせるのだから、その接着剤の効果が落ちるまでしか効果がない。
寿命が家には不向きな短さなのだ。
あなたが家の寿命に何年ぐらい期待するかによるが、
ベニヤの接着効果が半分以下に減るまでの期間は実に短いのだ。
ラワンと呼ばれる「熱帯材」で15年程度、なんとラジアダパイン材(ニュージーランドの松材)では3年しかないのだ。
あなたがその寿命でいいとしても、持続的に利用できない素材のせいで持続できない社会になるのだ。
スギは育つのが早くて50年だとしても、持続可能な社会のためには使える年数は最低でも50年は必要になる。
ところがあなたの家は、ベニヤ板のせいで3~15年で壊れてしまうのだ。