ノーベル賞受賞を受けて、年末年始で読みました。
受賞当初はどこの本屋にも売っていなかったので 、
実家の弟の本棚から拝借しました。
海外の小説ですがとても読みやすいです。
それも、ストーリーのおかげでというよりは、
文章の力がその推進力を担っているという感じがします。
カズオイシグロの特徴である一人称の語り、執事の主人公の丁寧な語り口は、
とても馴染みやすく、好印象です。
回想と、回想しながら進んでいく現実が、うまい具合に構成されていて、
そのことも読みやすさに寄与しているのでしょう。
そこには相当な技術が隠されていることは想像に難くありません。
とくにノーベル賞受賞後の今となっては。
また、私が小説を読む一つの理由に「今・ここ・自分」を認識すること。
想像力を養うことがあります。時代が違う、外国の人の小説を読むということは大切だと、
村上春樹と内田樹が言っていたと思います、たぶん。
本書では、執事というイギリス特有の文化について、大戦中のイギリスの立ち位置や雰囲気について、スティーブンスを通して追体験できることは良いことだったかと思います。
また、「品格」についてのスティーブンスの考察を始め、
スティーブンスの仕事に対するこだわり、意識の高さは見習うべきものがあり、
仕事の合間に読んでも現実との乖離を起こさないで済む効用付きです。
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「日の名残り」カズオ・イシグロ
普通カバーついた写真載せますよね。
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