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栗駒・伐採ツアー2017秋に行って来ました

11/3~5に毎年恒例の栗駒伐採ツアーに行って来ました。
天然住宅の家で使用している木材の故郷を訪ねるツアーです。
天然住宅にとって栗駒の地は、母体のアンビエックス時代も含めると20年以上の付き合いです。
今回も製材所見学、伐採体験、薪割り体験、スプーンづくりワークショップ、森案内、田中優セミナー、夜の宴会…と、とても内容の濃いプログラムでした。

■くりこまくんえんの製材所

天然住宅で使用する材木のほとんどは株式会社くりこまくんえんから直接仕入れています。
無理やり加工した工業製品としての木ではなく、植物としての木を使ってもらいたいという思いを持っている製材会社です。そして丸太を端から端まで大切に使いきる、薬剤を使わない、木の細胞を壊す高温乾燥をしないというこだわりを持っています。

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▼屋外で自然乾燥中の木材。
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住宅用に出荷を待っている、手刻み済みの建築材もありました。
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▼集材した丸太をバックに記念写真。
■スプーンづくりワークショップ

工房とみはりさんの協力のもと、スプーンづくりワークショップを開催しました。
ほうの木を削って作ったスプーン。手触りがよくて、マイはしならぬマイスプーンとして持ち歩きたくなるスプーンです。

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▼工房とみはりさんによるデモンストレーション。
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真ん中は天然住宅のスタッフの中田?が作成したもの。
■エコラの森での伐採

NPOしんりんが管理しているエコラの森は一般的な人工林とはまるで雰囲気が違います。
杉・ひのき以外にも広葉樹がたくさん残されているので、伐採しながら紅葉が楽しめました。

NPOしんりんでは現在の主流である、大型機械を活用した皆伐をしません。
大型機械を活用した林業は高コスト体質の林業となります。多くの森の所有者が機械を所有する森林組合に作業を依頼することになり、大した利益も得られず、かつ大量に伐採されて先祖代々受け継いが森が壊されてしまいがちです。

人が木を洗いざらい切る(皆伐)⇒特定の樹種の苗を植える(植林)⇒草刈りする(下草刈り)⇒間引きする(間伐)木を洗いざらい切る(皆伐)⇒…といった人が無理やり森をコントロールするサイクルから抜け出して、本来の植生を活かして、森が天然更新されるのを人が手助けし、その中で木の出荷もして林業者の生活を成り立たせることを目指しています。

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▼杉が混み合っているので、間伐します。広葉樹も少しずつ育ってきています。間伐が済むと、いよいよ建築材として使用する木を伐り出す択伐の段階がスタートします。
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▼春に皮むきして、立ち枯れさせた杉を鋸で伐採。
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▼チェンソーも使いました。
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▼この森では伐った木材を林道まで集める作業に馬が活躍しています。小回りが利いて、パワーもあるので、機械より効率よく作業します。
■薪割り体験

間伐材は薪にして、バイオマスエネルギーとして活用しています。
木こりさん達にとって、大きな収入源でもあります。

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▼斧を使った薪割り体験。みなさん、上手になりました。
■宿にて

初日の夜は田中優による天然住宅の取り組みに関するセミナーを、二日目の夜はNPOしんりんの木こりメンバーとのディスカッションを開催しました。
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▼エコラの森研修所の外観
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▼NPOしんりんの木こりメンバー
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▼ご飯も美味しかったです。優さんは勢いよくフライングしています。
私は念願の栗駒ツアー初参加でしたが、どんな人たちが、どういう思いをもって、どう森を育て、木を伐り出しているのか、加工しているのかを見ることができて本当によかったと思います。
天然住宅の森はこうでなきゃと思いつつ、現場の苦労や努力を知って、感謝の思いがつのりました。
家づくりを検討している人も、環境問題に興味がある人にもぜひ一度見に来てほしいと思います。
そして、参加者のバックグラウンドも多様でお話しして面白かったです。
次回は2018年5/25(金)~27(日)です。
ぜひとも今から予定をあけておいてください!

増本
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