HOMEブログ > 小野寺ブログ

小野寺ブログ

テーマ:スタッフの本棚

まち_小野寺史宜

小野寺史宜さんの小説との出会いは、昨年のことです。

2019年本屋大賞第2位「ひと」を読んだことがきっかけです。

本屋大賞ノミネート作品を読もうと思い、その中でも名字が同じだからという理由で読み始めたのでした。
宮城にはたくさんいる小野寺も、東京にはいるようでいない。小野寺は、小野寺を欲していたのでしょう。

不純な動機で読み始めた「ひと」ですが、あまりにも素敵なお話で、とても心が温かくなったのでした。

そして昨年末、正月に読む本を決めようと思い、本屋で見つけたのが、今回ご紹介する「まち」だったのです。



「ひと」の続編かのような雰囲気を纏った本作。

ものすごく大きな事件や出来事が起こるわけではありません。

誰にでも起こり得る日常の出来事。日常の喜怒哀楽。そして、心に抱えている悲しみ。
それが、平易な言葉で紡がれていきます。それがとても温かい。

主人公の瞬一を、親代わりとなって育てたじいちゃん。
じいちゃんは、瞬一に言います。


「人を守れる人間になれ」


安っぽいヒロイズムの話ではありません。
等身大で自然体のやさしさ。そこには、「守る」という意識はないのかもしれません。



価値観が多様になり、多様なまま加速し、加速したままどこかに飛んでいってしまったとき、戻ってきたいのは、やはり、人がいる場所ではないでしょうか。



紛らわしいですが、どうしても紹介したいので、「ひと」の一文も紹介します。


「大切なのはものじゃない。形がない何かでもない。人だ。人材に代わりはいても、人に代わりはいない」


グッときました。



そして、いま思うこと。

またまた紛らわしいのですが、おとといは僕の祖父の命日でした。

物語のじいちゃんとはキャラがまったく違いますが、身近な大切な人のことを、全力で守り続けた、やさしい祖父でした。


これ、じいちゃんに書かされたな。


なんてことを思うのです。

幸せです。

テーマ:小野寺ブログ

みなさん、こんにちは。

木造は燃えやすく、火災被害のリスクが高いと思われがちです。

法令で定められていることや木の特徴に加えて、天然住宅ならではの考え方もご紹介します。

外部で起こる火災


家の外で起こる火災に対しては、屋根・外壁・窓などを燃えにくい構造にしなければなりません。

建物の敷地が防火規制区域(準防火地域など)に定められているか、建物が隣地や道路からどのくらい離れているか(延焼ライン)により、仕様が変わります。

天然住宅の外壁は、ガルバリウム鋼板や塗り壁を使用しています。

下地を燃えにくい材料にすることで、外壁に木を使用できる場合もあります。

内部で起こる火災


家の中で起こる火災については、火気使用室(キッチンなど)の内装に制限があります。

天井と壁は準不燃材料や不燃材料とする必要があり、天然住宅では漆喰・タイル・ホーロー(いずれも不燃材料)などを使用しています。

木は燃えやすい?


火気使用室以外の部屋については、法的規制を受けないことがほとんどです。
とはいえ、やっぱり木をたくさん使用していると、火災時のリスクが高いと思われがちです。

まず、火災は本や家具などの可燃物が燃えることで起こる場合がほとんどです。
発生するリスクという意味では、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造にあまり差がないとも言えます。
構造体が燃え始めるわけではありません。

では、燃え始まってからはどうか?

木は可燃物ですが、燃え抜けるまでに時間がかかるという特性があります。

熱伝導率が低く、内部に水分も含んでいるため、なかなか燃え始める温度(250℃くらい)にまで達しません。
(熱伝導率が低いほど熱が伝わりにくい)

また、表面が燃え始めても、すぐに炭化層を形成します。
炭化することで、まだ燃えていない部分への熱の侵入を低減し、酸素の供給を阻止します。

杉の炭化速度(燃え進む速度)は「0.6mm〜1.0mm/分」と言われています。
天然住宅でよく使用している30mm厚のフローリングが燃え抜けるのにかかる時間は、30分ということになります。
30分の間に逃げることができ、消防車が到着できると考えることもできます。(消防車が到着する平均時間は10分以内)

燃えないことも大切ですが、燃え抜けないようにするという考え方も大切です。
焼杉製作
▲焼杉を製作している様子。バーナーを当てている付近は一時的に火が着くが、写真上の方は火が消え、炭化層を形成しているのが分かる。
焼杉
▲焼杉板の炭化層

天然住宅ならではのこと


天然住宅の家は有害な化学物質を使用しておりませんので、火災時に有害ガスが発生するリスクが低いと言えます。

ビニールクロスに含まれる塩化ビニル、塗装や断熱材として使用されるウレタン、その他薬剤等を使用している建材からも、有害なガスが発生する可能性があります。

燃え方やガスの濃度によってもリスクは変わりますが、なるべく使用しないという選択は持つべきなのだと考えています。

テーマ:スタッフの本棚

CHANGE
とても新しい本です。

建築家の谷尻誠さんが、建築の本ではなく、働き方の本を書いたというわけです。

メディアへの露出が多かったり、建築以外のことにも積極的に関わっていくため、チャラチャラしてるイメージを持たれているであろう谷尻さん。でもきっとそんなこと何も気にしてなく、楽しそうな谷尻さん。

ご自身の事務所で働くスタッフに、体にいい「オカン料理」を食べてもらいたいということで始めた社員食堂。執務スペースと地続きで社員食堂があり、普通に一般の方のためにも営業しています。店の名前もそのまま「社食堂」。

谷尻さんはここで「うっかりが起こる場所」をつくりたかったそうです。
自分ではコントロールできない出合いをしてもらえるように、設計事務所と食堂がひとつのフロアにあるだけでなく、写真を飾ったり、本を置いたりしている。

谷尻さんは、ちゃんと設計者・経営者としてのリスクを背負って、仕事として楽しいことをしている。
オンもオフもなく、頭も切り替えないそうです。
左手のあ
本の中にあったゲームを、私もやってみました。

「左手で描いた「あ」は人工的でありながら、自然現象でもある。」とのことで、描いてみたのです。
(写真左が左手の「あ」、写真右が右手の「あ」)

描いてみて思ったのは、なんかかわいい奴だな、と。愛着が湧いてきます。

なぜだろう?と考えてみて、思いました。右手の「あ」のおかげなんだな、と。いつもいてくれる右手の「あ」の安心感。完全に「俺の字」です。

そしたら、右手の「あ」もかわいくなりました。

人工的なものと自然現象的なものの関係性の中に、豊かさとか心地よさみたいなものってあるのかな。
それって、建築の仕事じゃん!とてもいい仕事だ!

そう思いました。
こうやって、いつもより少しだけ深く考えてみることは、楽しいです。

考えることって、楽しいことのはず。
働くって、楽しいことのはず。

谷尻さんは、これを教えてくれました。

読了後はなんとも清々しく、そして自由な気持ちに。なんか楽しいかも!と。

とても読みやすい本です。読書が苦手な方にもおすすめです。

テーマ:小野寺ブログ

金輪継ぎ

みなさん、こんにちは。

日本では地震そのものを避けることは難しく、地震が起こることを前提とした、あらゆる対策が必要になります。

特に建築は、人間の命に直接関わります。
建築の始まりは、「人間を守る」という目的から始まっており、それは今も変わりません。

天然住宅では、耐震性に関して2つの軸を持っています。
ひとつは「技術面の工夫」、もうひとつは「木材の特性」です。

技術面の工夫


建物にある壁の中でも、地震に抵抗する壁のことを耐力壁と言います。

天然住宅では、筋交い(すじかい)という斜めの木材を使用して耐力壁としています。(写真下)
横から加わる地震の力に対して、つっかえ棒のように抵抗します。

この耐力壁を、建築基準法で決められている量よりも、最低でも1.25倍は多く設けています。

耐力壁の量を増やすだけで良いわけではありません。

耐力壁は強い壁なので、地震時の負担も大きい。
負担の大きいところが建物のどこか一部分に偏ってしまうと、建物がねじれてしまいます。

建物の重心(平面形状の中心)と剛心(地震に抵抗する力の中心)をなるべく近くすることを心がけています。

建物に加わる地震の力は、最終的には地盤に伝わるように設計します。
つまり、2階に加わる地震の力は、1階を通して、きちんと地盤に伝えてあげないといけません。
その際、耐力壁や柱の位置が1階と2階で揃っていると、効率よく力を伝えることができます。

どれくらいの耐力壁や柱が同じ位置にあるか、その割合を表した数値を直下率と言います。
直下率60%以上が望ましいと言われていますが、天然住宅では80%以上の建物がほとんどです。
長ほぞ込み栓
▲長ほぞ込み栓
筋交い
▲筋交い

木材の特性


木材は乾燥させてから構造材として使用します。

高温乾燥した木材の表面は割れも少なくきれいに見えますが、木が持っている精油分は失われ、細胞は壊れてしまいます。
細胞が壊れてしまった木材は、内部に割れを起こし、もろくなってしまいます。

天然住宅では、木が本来持っている粘り強さを活かすため、高温乾燥ではなく低温乾燥や天日乾燥した木材を使用します。

木材の加工は、機械加工(プレカット)が一般的ですが、天然住宅では手刻み加工された木材を使用しています。
大工さんがひとつひとつ加工していきます。

柱と梁が接合される仕口は、長ほぞ込み栓。(写真上)
梁と梁が接合される継手は、追掛大栓継ぎ(おっかけだいせんつぎ)または金輪継ぎ(かなわつぎ)。(写真最上部)

木と木がしっかりかみ合い、粘り強く抵抗します。

無垢材だけで耐震等級を


耐震等級2や耐震等級3の取得には、必要な床倍率を確保することが条件のひとつになります。

床倍率とは床の強さを表す数値であり、床倍率が大きいとされているのは合板を使用した床です。
無垢材は計算上、どうしても不利になってしまいます。
 
天然住宅では、無垢材だけで耐震等級を取得できるように検討しています。
30mmの無垢の杉板を張るなど、すでに床を強くする工夫はしています。
それが計算に乗せられるように、実験データを用いたり、必要であれば新たに実験をすることも考えています。

丁寧に設計し、丁寧に建てる


いくらいい材料を使っても、きちんと設計しなければ意味がありません。
いくらきちんと設計して図面を描いても、きちんと建てられなければ意味がありません。

丁寧に設計し、丁寧に建てる。

これが耐震の大前提だということは、忘れずにいなければなりません。

テーマ:小野寺ブログ

一五一会
こんにちは、スタッフの小野寺です。
 
天然住宅のお中元は、建主様でもあるI様の自然食品店「一五一会」さんにお願いをしました。
お選びいただいたのは、こだわりの醤油とだしに加え、一五一会さんで仕込んでいただいた塩麹。
 
先日、スタッフで試食会を開催しました!
 
どれも美味しく、みんなペロリとたいらげました。 これはきっと、みなさんにも喜んでいただけたはず。
お引き渡しの後も、このようにしてお付き合いできることに、幸せを感じます。
 
一五一会
一五一会