2019年9月11日
テーマ:スタッフの本棚
とても新しい本です。
建築家の谷尻誠さんが、建築の本ではなく、働き方の本を書いたというわけです。
メディアへの露出が多かったり、建築以外のことにも積極的に関わっていくため、チャラチャラしてるイメージを持たれているであろう谷尻さん。でもきっとそんなこと何も気にしてなく、楽しそうな谷尻さん。
ご自身の事務所で働くスタッフに、体にいい「オカン料理」を食べてもらいたいということで始めた社員食堂。執務スペースと地続きで社員食堂があり、普通に一般の方のためにも営業しています。店の名前もそのまま「社食堂」。
谷尻さんはここで「うっかりが起こる場所」をつくりたかったそうです。
自分ではコントロールできない出合いをしてもらえるように、設計事務所と食堂がひとつのフロアにあるだけでなく、写真を飾ったり、本を置いたりしている。
谷尻さんは、ちゃんと設計者・経営者としてのリスクを背負って、仕事として楽しいことをしている。
オンもオフもなく、頭も切り替えないそうです。
本の中にあったゲームを、私もやってみました。
「左手で描いた「あ」は人工的でありながら、自然現象でもある。」とのことで、描いてみたのです。
(写真左が左手の「あ」、写真右が右手の「あ」)
描いてみて思ったのは、なんかかわいい奴だな、と。愛着が湧いてきます。
なぜだろう?と考えてみて、思いました。右手の「あ」のおかげなんだな、と。いつもいてくれる右手の「あ」の安心感。完全に「俺の字」です。
そしたら、右手の「あ」もかわいくなりました。
人工的なものと自然現象的なものの関係性の中に、豊かさとか心地よさみたいなものってあるのかな。
それって、建築の仕事じゃん!とてもいい仕事だ!
そう思いました。
こうやって、いつもより少しだけ深く考えてみることは、楽しいです。
考えることって、楽しいことのはず。
働くって、楽しいことのはず。
谷尻さんは、これを教えてくれました。
読了後はなんとも清々しく、そして自由な気持ちに。なんか楽しいかも!と。
とても読みやすい本です。読書が苦手な方にもおすすめです。