先日、鎌仲ひとみ監督の「小さき声のカノン~選択する人々~」の上映会に参加してきました。
2011年3月に起きた東京電力福島第一原発事故。そして1986年に起きたチェルノブイリ原発事故。その後を追いかけたドキュメンタリー映画です。
鎌仲監督は過去に、核をめぐる映画を三本作られています。それらの映画に込められているのは、「子どもたちを被ばくから守りたい」という一貫した願い。そして今回の映画にもその願いは強く込められていました。さらに「子どもたちを被ばくから守ることができる」ことが取材を通して伝えられており、そのために「保養」がいかに重要であるかも描かれていました。
放射能で汚染されてしまった場所。できるならば、一日も早くその場から離れたほうがいいのかもしれませんが、さまざまな理由からその場を離れず、そこで暮らし続ける選択をした人たちがいます。どんな気持ちでとどまり、どんな想いで暮らしているのか。そこにはもちろん苦悩もありますし、我が子への変わらない愛情もあります。暮らし続けると決めたからには腹を括り、被ばくの影響が少なくてすむよう、最善の策をとろうと努力している親御さんたちの姿が丁寧に描かれていました。
いろいろな感情に揺れ動かされながらも、「子どもたちを守りたい」という一心が、お母さん、お父さんたちを強くさせているのかもしれません。
映画を見ていていろいろな感情が溢れました。とにかくこの日、この場所でこの映画を見ることができてよかったと思います。上映後のスペシャルトークでは、女優の樹木希林さんも登場しましたが、その佇まいや発言、雰囲気すべてにしびれました。
この映画のサブタイトルは「選択する人々」。
自分は日々どんな選択をしているのか、これからどんな選択をしていくのか。そんなことも考えさせられました。
「選択をする」ためには、自分の考えを掘り下げていくことが必要ですし、自分以外の人の考えや声に耳を傾けることも必要です。そして社会とのつながりを断ち切ることもできません。私たちの暮らしは社会という大きな土台の上に成り立っていて、言わば切っても切り離せない関係ですから。(だから選挙だって、どうせ変わらないからと諦めてはいられないのです。)
鎌仲ひとみ監督には、個人的にも親しくさせていただいているのですが、今回、約3年ぶりにお会いしました。
実は設立当初、天然住宅バンクのミーティングなどにも参加してくださったことがあるんですよ。
大好きな“鎌ちゃん”のエネルギーに触れ、元気をたくさんもらいました。
映画を見て思ったことがあります。
鎌仲監督の映像作品。いつか天然住宅でも上映会を開催したいな!ということ。
住宅を販売する会社ではありますが、こういう社会に向けたメッセージも、ちゃんと発信できる会社でありたいと思っています。きっと代表はじめスタッフもそんな風に思っていると思います。
「小さき声のカノン」が多くの方の目に触れ、心に届く作品になりますように。
▼鎌仲ひとみ監督の公式ホームページは
こちらです。