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テーマ:田中ブログ

見樹院の大河内さん
先日、未来バンクと天然住宅バンクの理事が集まって食事する機会がありました。

天然住宅の代表、田中優のまわりには本当に優秀な方々がたくさんおります。
様々な取り組みを実現できたのはほかでもなく周りの人たちのおかげなんだと、実感します。

その中でも、私も小さいころから知っている大河内さんは、
田中優の盟友ともいえる方で、天然住宅が発足してからも、その思いに共鳴してくれて、
いろいろな試みを一緒にさせていただきました。

先日、田中優の記事が東京新聞に掲載されたとき、
ありがたい文章とともに、Facebookでその記事を紹介してくれました。
その紹介文がとてもうれしい文章でしたので、こちらに転載させていただきます。



「20年来の」と言ってきたがすでに「30年来」となった盟友・親友の田中優氏。地域の仲間として、同じNGOsの役員として、優さんに導かれ、事業活動運動に取り組み、多くのかけがえのない人々と出会い、山に分け入り、水に浸かり、汗を流しながら、あるべき生き方の手ごたえを感じ、同じ未来を目指してきた。

私がベースとしている2つの寺がめざすのは、本尊阿弥陀如来の48の誓願が成就した、すべての人が尊重され平和が実現する極楽浄土であるが、その理想に続く実践は「田中優菩薩」の願いの力によるところが大きい。

20年前に建設した寿光院も化学物質を極力使わない、昔からある天然素材にこだわり、ダムや原発の過剰な電源開発を抑制するため昼間のピーク時に威力を発揮する太陽光発電施設を設けた。

その後も、市民自らが主体となってこれからの住まいとコミュニティを創造する、高齢者共同住宅「ほっと館」。「子どもの権利」を支えるための「松江の家」のオフグリッド化。などなど、残したい未来、希望ある未来のために、優さんをはじめみんなで積み上げている理想を、微力ながら何とか形にしようと取り組んでいる。

小石川見樹院の建て替えにあたっては、企業のデベロッパーは入れず、NPOと一般社団、そして宗教法人という非営利団体によるコラボで、ケミカルフリーで長寿命かつ「共」のコミュニティの社会資本を目指す共同住宅と寺院の複合施設「スクワーバ見樹院」を、「天然住宅」仕様の建物として参加者を募り、コーポラティブ方式で建築した。

当然ながら、「そんなのは無理、絵空事」と言う人の声もたくさんあった。しかし、人が、いのちが、本当に望むことは必ず実現できる、否、実現しなくてはならないと、夢をあきらめない仲間の力、そして優さんたちと実現してきた(もちろん失敗も多々)これまでの手応えに培われた確信と、この事業に賛同し、あるいは信じて支えてくれた檀信徒はじめ関係者の「未来への願い」が積み重なって完成した。

この「天然住宅」に自分自身が暮らし、またこの寺に夢ある人々が集い、いのちの本質的な「願い」に立脚した理想「無核無兵の浄土」を、生き方の中に見出そうとする同志のサンガの広がりを感じている。「懐かしい未来」として注目されるコミュニティとつながる「ジュレー・ラダック」が入っていることも大きな学びと可能性を与えてくれる。

実は今、スクワーバ見樹院が建ち上がった後に提供された隣地に、「天然住宅」によるシェアハウスを建築できないかと考え、「天然住宅」のスタッフと具体的な可能性の検討に入った。物理的には8~9部屋の居室と、事務・集会スペースとつながるLDKなどを備えた、ケミカルフリーで長寿命の建物となりそうだ。もちろん見樹院の施設ともつなぐ。「願い」と「志」、そして未来への可能性と責任を持ち続けるコミュニティの社会資本として残していきたい。

間取りや機能、資金調達、参加形態や運営方法など、多くの方々のお知恵をいただき、市民参加で進めていければと思っています。ご関心のある方、こんなところなら住んでみたいというアイデアのある方、ぜひご連絡ください。



共有する志はたくさんありますし、
何より大河内さんの願いを実現していきたいと強く思います。

記事の中でもあったような試みをともに始めようとしています。
進捗についても今後随時お伝えしていけたらと思います。

ぜひ、ご期待ください!

【余談】
時を同じくして、田中優も「大河内さんという人」というコラムを書いていましたので、
大河内さんに伝えたら、「褒めあってどうする!」と言っておりました。笑

テーマ:田中ブログ

わたしを離さないで
日の名残りに続いて、カズオイシグロの「わたしを離さないで」読了しました。

映画やドラマにもなっているようなので、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、
主人公のキャシーは、「提供者」と呼ばれる人の世話をするヘールシャム出身の「介護人」です。
キャシーの語りで、話が進み、だんだんと真実が明かされていきます。

そして私がこれから読みはじめる皆様に一番お伝えしたいことは、
「ヘールシャム」を絶対に検索しないでください!ということです。

上で、何気なくヘールシャム出身と書きましたが、
ヘールシャムは地名ではありません!実在しません!

序盤、キャシーはそのヘールシャムという場所で日々を過ごしているのですが、
ヘールシャムについて直接的な説明はなく、しばらく進んでいきます。
私は、イギリスの地名なのかと思い、軽い気持ちでググってしまったのですが、
かなり後悔しています。
一番上に表示されるウィキペディアに重大な真実が書いてあるので、お気をつけください。
ぜひ、何も知らずにドキドキして読んでいただきたいです。



小説の中で「すべての遺失物が集まる場所」として、ノーフォークというところがでてきます。
これは、地名です。ご安心ください。

先ほどまでここにあったはずのものが、なぜかないときがあります。
誰も盗んだりしていないのに、確かにそこに置いたのに、どこを探しても、なくなるはずもないものが、なくなってしまうことが。
失ってしまったもの、それらはノーフォークに集まっているのです。

本を読んだ後、解説などを読んで知ったのですが、
イギリスの「ロストコーナー」つまり「忘れられた土地」とかかっていたみたいです。
それを子供たちのとらえ間違いか冗談が言い伝わってこのように解釈されているということみたいです。

でもこのとらえ違いが、キャシーにとってとても大切な役割をすることになるというところが乙です。

村上春樹の分電盤のように、サリンジャーのライ麦畑のキャッチャーのように、
人には、ノーフォークのような場所が必要なのです。



また、この小説のテーマが現在においても、新鮮なテーマであり、
その点においても読む価値があります。
ありえない(あるいはもうすでにある?)設定の中で、
細かな人間関係の描き方に、作家の底力を感じさせます。
全体を通じて、せつなくて、むなしい、重い空気感があり、
それが読後も、心にずっしりと残ります。

そしてそのテーマこそ、ヘールシャムを検索するとすぐにわかるテーマなのです。
ぜひ、事前になんの情報も入れずに読んでください。
ここまできて言うのもナンですが、このブログもできれば読まないほうが良いです。



それから、ぼーっとしながらカズオイシグロを検索すると、
間違ってノゾミイシグロを検索してしまうこともあります。
こちらも世界的に有名な方ですが、併せてお気を付けください<(_ _)>

テーマ:増本ブログ

バースハーモニー美しが丘助産院にて暮らし+リンクセミナーを開催してから早2ヶ月と半。
今さらという気もしますが、とても面白いお話しでしたので、長々と報告したいと思います。

■齋藤先生と天然住宅のご縁

助産師の齊藤先生は多くのお客様の自宅出産を介助する中で、たまに、とてもスムーズに、つるっと産む方がいることに気づいていました。
その方たちの共通点はなんと、なんと、なんと、

「天然住宅」の家に住んでいることだったそうです!!

有害物質の少ないリラックスできる家で生活していることと、
普段から健康に気遣い、お産に向けた体の準備が整っている方が多いことが要因ではと推測されています。

それからしばらくして、齊藤先生は天然住宅グループの設計事務所、AMBIEXが設計した築18年の中古物件と奇跡的な出会いを果たし、助産院の拠点を移されました。
今の場所で出産を介助するようになってから、期待通りお客様のお産がとてもスムーズになったそうです。
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▲AMBIEXが設計した築18年の中古物件、こちらが現在のバースハーモニー美しが丘助産院です。
■出産後すぐにへその緒を切らない

齊藤先生のこだわりの一つが出産後すぐにへその緒を切らないということ。
赤ちゃんにとってへその緒は命綱であり、それはお母さんのお腹から出てきてからもしばらくは同じ。
赤ちゃんがへその緒を頼っている状態から、自力で呼吸できる状態に切り替わるのを静かに待つそうです。
その頃にはへその緒が干からびるので、簡単にとれるそう。

一般的な出産では、へその緒はすぐに切ってしまいますが、なぜなのでしょうか。
すぐにへその緒を切ると、赤ちゃんの肺に急に熱い空気を送り込んでしまいます。それによって泣かせて、強制的に呼吸を開始させることになります。
人間は学ぶ動物ですから、お母さんのお腹の外での生活の始まりが暴力的なものになってしまってはまずいのでは、と疑問を呈されています。

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▲セミナーの光景。映像を使いながら、ていねいに説明していただきました。
■本来のお産のあり方

バースハーモニーで行われたお産の映像を見させていただきました。
一言でいうと美しかったです。
私の2人の子どもたちにも、人が持つ本来の力を引き出した、穏やかな出産をプレゼントしてあげられたらよかったなと思いました。
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▲個室の様子。ベッドも蓄熱式のとても気持ち良いベッドです。

■バースハーモニーで産むときれいになる?

齊藤先生はお産後の骨盤ケアにより、女性は産む前よりきれいになるとおっしゃっていました。
ほんとに?と思いますが、バースハーモニーで出産を経験された方が3名セミナーにいらっしゃっていましたが、お三方とも本当にきれいな方でした。セミナーのために集めたのでは?と疑ってしまいましたが実際のところはどうなんでしょうか。


テーマ:井上ブログ

無垢材とライティングレール
 
先日開催したお住まい見学会では、建主さまのセンスを感じるアイテムをたくさん見つけました。ひときわ心ときめいたのが、ダイニングを照らす照明。奥さまが選んだというそのペンダントライトは、京都にアトリエをかまえる作家さんがつくったもの。
 
照明って、頻繁に買い替えるものではないからこそ、家具同様、選ぶ際は慎重になってしまうものですが、その照明を見たとき、「我が家にも迎えたい!」と思ったのでした。
 
今回のテーマは「照明」です。お気に入りの照明と一緒に、新しい暮らしをはじめてみませんか?
 
無垢材とライティングレール
▲天然住宅で一番スタンダードなのが、ライティングレール+スポットライトの組み合わせ。ライトの数を増やしたり、減らしたり、角度を変えるなど、自由度が高いです。見た目の印象もすっきりですね。
岳中爽果
▲個人的に心ときめいたのが、こちらのペンダントライト。岳中爽果さんという作陶家の作品です。(かわいい♡)
安土草多
▲こちらは安土草多さんという岐阜県のガラス作家さんの作品です。ぽってりとした厚みのあるガラス、優しくあたたかな雰囲気です。
階段照明
▲階段照明です。まるで外灯のようでもあります。木とガラス、漆喰の壁にも合いますね。
ペンダント照明
▲2階の天井から吊るしたひときわ存在感のある照明。壁にどんな陰影をつけてくれるのか、気になります。
ダイニング照明
▲小ぶりなペンダントライトは、明かりも控えめです。必要に応じて他のライトと組み合わせて使ってもいいかもしれません。煌々とではなく、そっとあたりを照らしてくれる、いい雰囲気です。
ペンダントライト
▲まるでおしゃれなカフェにでも来たかのような、ペンダントライト。キッチンに立つのが楽しみになりそうです。
ペンダントライト
▲きらきらと輝くのは、スワロフスキーでしょうか。真っ白な室内に美しく映えますね。
寝室照明
▲まあるくて、やわらかな雰囲気の照明。おやすみ前の心をゆっくりとほぐしてくれそうです。
間接照明
▲最後は間接照明です。たとえば夕食後、あるいは入眠前の数十分でも、こんな風に明かりを落とし、目を、心を、やすめてみたらいかがでしょうか。きっと心から、リラックスできるように思います。
 

目にも心にも、やすらぎを、ときめきを

いかがでしたか?
素材も形も明るさも、照明には本当にたくさんの種類がありますね。すべてこだわるのは難しいかもしれませんが、たとえばダイニング、玄関といった具合に、どこかスポットを決めて、お気に入りを探してみるのもいいかもしれません。
 
照明には家の雰囲気をぐっと素敵にしてくれるチカラがあるんだなぁと、実例写真を見て改めて思ったのでした。
 

テーマ:田中ブログ

ノーベル賞受賞を受けて、年末年始で読みました。

受賞当初はどこの本屋にも売っていなかったので 、
実家の弟の本棚から拝借しました。

海外の小説ですがとても読みやすいです。
それも、ストーリーのおかげでというよりは、
文章の力がその推進力を担っているという感じがします。

カズオイシグロの特徴である一人称の語り、執事の主人公の丁寧な語り口は、
とても馴染みやすく、好印象です。
回想と、回想しながら進んでいく現実が、うまい具合に構成されていて、
そのことも読みやすさに寄与しているのでしょう。
そこには相当な技術が隠されていることは想像に難くありません。
とくにノーベル賞受賞後の今となっては。

また、私が小説を読む一つの理由に「今・ここ・自分」を認識すること。
想像力を養うことがあります。時代が違う、外国の人の小説を読むということは大切だと、
村上春樹と内田樹が言っていたと思います、たぶん。
本書では、執事というイギリス特有の文化について、大戦中のイギリスの立ち位置や雰囲気について、スティーブンスを通して追体験できることは良いことだったかと思います。

また、「品格」についてのスティーブンスの考察を始め、
スティーブンスの仕事に対するこだわり、意識の高さは見習うべきものがあり、
仕事の合間に読んでも現実との乖離を起こさないで済む効用付きです。

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カズオ・イシグロ「日の名残り」
普通カバーついた写真載せますよね。