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テーマ:井上ブログ

北の丸公園
先日、たまたま用あって九段下に足を運びました。
スムーズに用が済んだことで気分もよく、さてこれからどうしようというところで目にとまったのが、武道館のある北の丸公園でした。あまり深く考えず足を運んだのですが、そこでとてもいい景色に出合えたのです。
 
訪れたのは一週間ほど前。紅葉の見ごろが間もなく終わる、そんな時期でした。
空を見上げ、人を見つめ、日の光をたっぷりあびて、紅葉にわくわくして。公園を出る頃にはすっかり心もあたたまっていました。
 
天気がよくて、時間もあるって、最高の贅沢ですね。
そしてこういう時、気の向くままにふらっと足を向けられる、そんなフットワークや心の軽さも大事だなぁと思いました。朝、家を出るときにはまったく想像もしていなかった気持ちのよい一日を、案外たやすくつくってしまえるのだから。
そんな小さな発見のおまけも含めて、とても満たされた一日になりました。
  
願わくば、天気が悪くても、時間がなくても、それはそれで楽しめる自分であれたらよいです。でも、たまにふいに訪れる、いろんな条件がうまく重なった瞬間の「やったぁ!!」と心躍る気持ち。やっぱりたまりません。
 
秋のおすそわけを写真とともに。よかったら、受けとってください。
 
北の丸公園
▲門にひかりがあたって・・とてもきれいだなぁと思って、思わず撮った一枚。
 
北の丸公園
▲どちらの道をすすんでも、いいですね~
 
北の丸公園
▲個人的に、秋はとっても好きな季節です。
 
日本武道館
▲久々に見ることができた、日本武道館。
 
北の丸公園
▲立派な門構えですね。
 
北の丸公園
▲屋根の瓦がかわいらしくて、思わず撮ってしまいました。
以上、秋のおすそわけでした♩

テーマ:井上ブログ

我が家の大黒柱を伐りに行こう

伐採体験
天然住宅では「長持ちする家」を目指していますが、それは耐久性や性能面など技術的なことだけを言うのではないと思っています。住まう人の「長く住み継いでいきたい」という気持ちもまた、長もちする家の大切な要素だと思っているからです。
 
私たちのパートナー企業「栗駒木材(くりこまくんえん)」では、秋から冬にかけて家づくりに必要な木材を伐採します。希望される建主さまには、山に足を運んでいただき、現地の木こりと一緒に大黒柱や梁を伐っていただきます。
 
このような体験を通じ、家への愛着を深めていってほしいという思いもありますし、何より家づくりを楽しんでもらいたいと思っています。
 
今回の家づくりのアイディア帖では、「我が家の大黒柱を伐りに行こう」をテーマにお届けしたいと思います!
 
伐採体験
「命をいただきます」と感謝をこめて。木を伐る前に必ず行う儀式です。私たちが届けたいのは、木材一本の伐採からはじまる家づくり。その背景にあるストーリーも含め、楽しんでいただきたいと思っています。
伐採体験
▲チェンソーを持つことが初めての人がほとんどです。木こりさんから、しっかりとレクチャーを受けます。
伐採体験
▲家族も見つめます。「おとうさん、がんばって」
伐採体験
▲まずは「受け口」づくりから。木を倒す方向を決め、伐採したい方向に垂直になるように「受け口」をつくります。
伐採体験
▲受け口をつくる際に伐り取った材。記念に持ち帰られる方も多いです。
伐採体験
▲受け口ができたら、反対側に「追い口」と言われる切り込みを入れていきます。
伐採体験
▲最後は「まさかり」で倒していきます。3才のお子さんも挑戦しました。
伐採体験
▲最後は、お父さんと一緒に。この日のこと、覚えていてくれたら嬉しいです。
伐採体験
▲記念写真です!!
伐採体験
▲これまでたくさんの方に、木材の伐採を体験していただきました。
伐採体験
▲チェンソーの音や、木が大きな音を立てて倒れていく様はとても迫力があり、中には泣き出す子もいます。驚いたり怖いという感情がわきあがってくる子もいれば、目の前で命が終わりを迎えることに、どうしようもない悲しさを感じた子も過去にはいました。木を伐り倒すお父さんの姿を見て、「かっこいいね!」と言ってくれた子も。子ども達もまた、何かしらの思いを抱いてくれています。命に直に触れるようなこういう生の体験を、たくさんの方にしてほしいです。
伐採体験
▲くりこまでは、馬を使って木材を山から運び出す、馬搬(ばはん)をはじめています。
製材所見学
▲翌日は、製材所の見学もしていただいています。
大黒柱
▲山で伐った木が、街に運ばれ、家の一部になるということ。“第二の木生”(人生)がはじまるのですね。
大黒柱
▲毎日、見えるところ触れるところに大きくて太い木がある。家も人も一緒に育っていく。そんな風に思っていただけたら・・
 

家づくりは命をいただくことだから

天然住宅で家づくりにたずさわる仕事をしていると、家はつくづく「買うものではなく建てるものなんだな」と感じます。たくさんの命をいただいて、形になっているのだなぁとも。
 
我が家に使われている木は、どこで生まれ、どこで育ったのか。誰が伐って、どこで製材されたものなのか。完成した家だけを見ても、その工程はなかなか想像できないかもしれません。現地に足を運び、実際に見て、話を聞いて、そうやってさまざまな過程を経ていることを知ると、「家そのものの成り立ち」に想いを馳せることができるようになるかもしれません。ひとつの体験や実感が想像力を補ってくれるように。
 
そのような体験が、家に対し、日々手をかけたり、大切に住むことにつながっていくのかもしれません。そのような日々を重ねていくことで、愛着心もじんわりと育っていくのかも。経年変化が、ただ「古い」と感じるのでなく、「味わい」として感じられる、そのような想いにもつながっていったらいいなぁと思います。
 
それらは暮らしの中に、ひとつの豊かさをもたらしてくれるように思います。そんな家づくりを、これからもお客様に届けていきたいと思います。

テーマ:増本ブログ

11/3~5に毎年恒例の栗駒伐採ツアーに行って来ました。
天然住宅の家で使用している木材の故郷を訪ねるツアーです。
天然住宅にとって栗駒の地は、母体のアンビエックス時代も含めると20年以上の付き合いです。
今回も製材所見学、伐採体験、薪割り体験、スプーンづくりワークショップ、森案内、田中優セミナー、夜の宴会…と、とても内容の濃いプログラムでした。

■くりこまくんえんの製材所

天然住宅で使用する材木のほとんどは株式会社くりこまくんえんから直接仕入れています。
無理やり加工した工業製品としての木ではなく、植物としての木を使ってもらいたいという思いを持っている製材会社です。そして丸太を端から端まで大切に使いきる、薬剤を使わない、木の細胞を壊す高温乾燥をしないというこだわりを持っています。

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▼屋外で自然乾燥中の木材。
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住宅用に出荷を待っている、手刻み済みの建築材もありました。
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▼集材した丸太をバックに記念写真。
■スプーンづくりワークショップ

工房とみはりさんの協力のもと、スプーンづくりワークショップを開催しました。
ほうの木を削って作ったスプーン。手触りがよくて、マイはしならぬマイスプーンとして持ち歩きたくなるスプーンです。

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▼工房とみはりさんによるデモンストレーション。
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真ん中は天然住宅のスタッフの中田?が作成したもの。
■エコラの森での伐採

NPOしんりんが管理しているエコラの森は一般的な人工林とはまるで雰囲気が違います。
杉・ひのき以外にも広葉樹がたくさん残されているので、伐採しながら紅葉が楽しめました。

NPOしんりんでは現在の主流である、大型機械を活用した皆伐をしません。
大型機械を活用した林業は高コスト体質の林業となります。多くの森の所有者が機械を所有する森林組合に作業を依頼することになり、大した利益も得られず、かつ大量に伐採されて先祖代々受け継いが森が壊されてしまいがちです。

人が木を洗いざらい切る(皆伐)⇒特定の樹種の苗を植える(植林)⇒草刈りする(下草刈り)⇒間引きする(間伐)木を洗いざらい切る(皆伐)⇒…といった人が無理やり森をコントロールするサイクルから抜け出して、本来の植生を活かして、森が天然更新されるのを人が手助けし、その中で木の出荷もして林業者の生活を成り立たせることを目指しています。

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▼杉が混み合っているので、間伐します。広葉樹も少しずつ育ってきています。間伐が済むと、いよいよ建築材として使用する木を伐り出す択伐の段階がスタートします。
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▼春に皮むきして、立ち枯れさせた杉を鋸で伐採。
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▼チェンソーも使いました。
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▼この森では伐った木材を林道まで集める作業に馬が活躍しています。小回りが利いて、パワーもあるので、機械より効率よく作業します。
■薪割り体験

間伐材は薪にして、バイオマスエネルギーとして活用しています。
木こりさん達にとって、大きな収入源でもあります。

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▼斧を使った薪割り体験。みなさん、上手になりました。
■宿にて

初日の夜は田中優による天然住宅の取り組みに関するセミナーを、二日目の夜はNPOしんりんの木こりメンバーとのディスカッションを開催しました。
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▼エコラの森研修所の外観
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▼NPOしんりんの木こりメンバー
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▼ご飯も美味しかったです。優さんは勢いよくフライングしています。
私は念願の栗駒ツアー初参加でしたが、どんな人たちが、どういう思いをもって、どう森を育て、木を伐り出しているのか、加工しているのかを見ることができて本当によかったと思います。
天然住宅の森はこうでなきゃと思いつつ、現場の苦労や努力を知って、感謝の思いがつのりました。
家づくりを検討している人も、環境問題に興味がある人にもぜひ一度見に来てほしいと思います。
そして、参加者のバックグラウンドも多様でお話しして面白かったです。
次回は2018年5/25(金)~27(日)です。
ぜひとも今から予定をあけておいてください!

増本

テーマ:井上ブログ

建築費のコストダウンにもつながる、オープン収納

キッチンオープン収納
天然住宅の収納は、無垢材で作っています。自然素材はもともと吸放湿性能が高いのですが、天然住宅では、押し入れやクローゼットの建具の上下にスリットをいれ、空気を循環させ、湿気がこもらない工夫をしています。
 
とてもおすすめなのですが、職人さんの手仕事ですので、値段があがってしまうのも事実です。そこでおすすめなのが、おもいきって建具をつけない、という選択です。
 
市販の収納ボックスと合わせれば、スッキリと見せることもできますし、必要でしたら、後からロールスクリーンなどを設置してもよいかもしれません。
 
今回は、建築費のコストダウンにもつながる、オープン収納についてのお話です。
オープン収納
▲寝室の一角を収納スペースに。もともとは建具をつける予定でしたが、コストを抑えるため、最終的にはオープンに。
オープン収納
▲結果的には大正解でした。市販のボックスを使って見た目にもスッキリと使われています。右側には布団を収納しています。
オープン収納
▲子ども室の一角を収納スペースにしました。建て主さま曰く、「小さいながら、つくってよかったと思える空間」だそうです。
オープン収納
▲キッチンです。シンク上部には、吊戸棚を設置することが多いのですが、こちらの家では、棚板をとりつけるのみの潔さ。
オープン収納
▲調理器具類の色がそろっていると、まとまりを感じますね。
オープン収納
▲シンクの後ろ側に、トースターや電子レンジを置くためのカウンターをつくりました。下はオープンなので、たとえばゴミ箱などを置いてもいいですね。
オープン収納
▲間伐材の「組手什」で棚をつくり、ボックスを並べています。食品のストックを入れています。ボックスの色形をそろえると、見た目がスッキリして気持ち良いですね。
オープン棚
▲洗面・脱衣室です。コンパクトになりがちな空間ですが、毎日使うタオルは埋め込み型の棚をもうけて、収納する方法もあります。
下足棚
▲下足入れです。木とアイアンの組み合わせ。カッコイイですね♪

あたりまえを取り払って考えてみよう

いかがでしたか?
 
予算がたくさんあれば、あれもつけて、これもつけてと、スペックの高い家を建てることができます。しかし、現実は限られた予算の中で、優先順位をつけながら、検討することのほうが多いように思います。
 
収納に関しては、必要に応じて後からつくることもできる部分です。「収納には建具があるのがあたりまえ」。そんな既成概念をとりはらって家づくりを考えてみる。予算に困ったら、思い出してみてくださいね。
 
【参考記事】
収納だけじゃない、建物全体が吸放湿性に優れている。天然住宅が『断熱材にグラスウールを使わない理由』

テーマ:井上ブログ

い草の薫りがちゃんとする。畳って、やっぱり気持ちいい

和室
無垢杉のフローリングもとても良いですが、畳のある空間も格別ですね。
 
一般的な畳は、わら床や畳表に防虫剤、防蟻剤が使われ、畳裏には防虫シートなどが貼られていることがほとんどです。畳表が青々としているのも、色を均一にするため、主に化学染料で染めているからだそう。くつろぐ場所にはそぐわないものが、残念ながらたくさん使われています。
 
天然住宅では、低農薬で栽培した藁や、い草をつかった畳を使用しています。防虫剤は使いません。
い草本来の薫りがする畳の心地よさは、とてもいいものです。
 
今回の家づくりのアイディア帖では、天然住宅の畳のある空間をご紹介します。
和室
▲リビング横に和室をつくりました。押入れの建具には、和紙クロスを貼っています。 
やわらかい風がふく家 
              
畳コーナー
▲リビングに、小上がりの畳コーナーを設けています。畳の下は収納として使います。2畳ほどの小さなスペースですが、あると何かと使える空間です。
まるでアンティークショップのような家
床柱
▲床の間のある和室です。床柱には地元(新潟)の木材を使用しました。
雪国でも暖かい家
和室
▲幅の広い板張りの敷き目天井がある和室です。
サンルームと広いウッドデッキのある家
和室
▲ダイニングに続く、小上がりの和室です。
薪ストーブと吹き抜けのある家
和室
▲障子を開くと、いっきに広がりを感じますね。
欄間
▲こちらの家では、実家の欄間を生かしました。
しっくいと焼杉を纏う平屋の家
和室
▲エアコンは目立ちにくいよう、木の格子で隠しています。
湖畔の家
吊床
▲お茶席の時は、お花や掛け軸などを飾れるよう、釣床を設けました。空間に合った和を感じさせる照明がすてきです。

和室にはさまざまな使い方がある

いかがでしたか?
ダイニングやリビングに続くもうひとつの空間として和室をもうければ、普段は家族のくつろぎの場として、またある時は客間として使うことができます。あるご家族は6畳の寝室を和室にし、家族4人、布団で川の字になって寝ているそうです。茶室など、ちょっと特別な使い方もありますね。
我が家は一般的な賃貸アパート住まいなのですが、合板のフローリングにそのまま布団を敷くことに抵抗があり、天然住宅で使用している畳を置いて、その上に布団を敷いて寝ていました。(無垢杉のフローリングでしたら、そのまま布団を敷いて寝るのもおススメです)
ほんの少しのスペースでもいいのです。畳があると、やっぱり落ち着きます。
   
《参考》
天然住宅のこだわり。『スタイロ畳は使用しません』
天然住宅で使用する『快適畳』について